オーストラリアのプロ時自転車チーム「オリカグリーンエッジ」のドキュメンタリー映画。
オリカグリーンエッジ→オリカスコット→現在のミッチェルトンスコット
有名な選手と言えば、サイモン・イエーツ、アダム・イエーツ兄弟、ダリル・インピー、エスティバン・チャベス
「栄光のマイヨジョーヌ」の制作時点ではイエーツ兄弟は登場していない。
既に引退している、サイモン・ゲランス、マシュー・ヘイマンの二人が登場している。
2020年2月に公開された映画だけど、3ヶ月ちょっとでデジタル配信されることになった。
劇場で見たかったけど、見ることができなかったので、非常に嬉しいニュースだった。
予告編を見てみると全編を見たくてたまらなくなる。
本編を見ると決して順調ではなかったが、2010年の結成当時からどのようにして駆け上がってきたかがよくわかる。
結成当時のエースは「サイモン・ゲランス」ミラノ〜サンレモの300kmにもおよぶレースで勝利を掴む。
チーム一丸となって挑んだチームの明暗を分ける大会で見事に結果を出すエース。
ゴールの瞬間、監督スタッフ皆歓喜に沸き喜ぶ姿に思わず目頭が熱くなった。
そして初めて挑んだツールドフランス。確か第100回の記念大会で、コルシカ島をスタートする大会だったと記憶している。
この大会は僕としても忘れられない大会。
直接見に行ったわけでもない大会ですが、初めて見た自転車レースがこのツールドフランス2013だったから。
で、このツールドフランス2013を見て自転車の魅力を知り自転車を買ったのだ。
この大会は何度も何度もYouTubeで見た。
第1レースでいきなりオリカグリーンエッジのバスがゴールゲートに突っ込んで大会が混乱に巻き込まれたのを見ていた。
サガンがまだキャノンデールにいた頃の大会。
キッテル、グライペル、サガン、キャベンディッシュのスプリント争いをずっと見てた。
ん〜懐かしい。
その大会で、チームTTを制しサイモン・ゲランスがマイヨジョーヌを着ることになるの。
そして、サイモンゲランスは、エースとしてマイヨジョーヌを着続けるかと思いきや、同じチームメイトのダリル・インピーにマイヨジョーヌを明け渡します。
同じチームでマイヨジョーヌを着た選手が二人もいるわけです。
サイモンは若手育成のためにもそうしたのでしょう。
非常にカッコいい。
ドキュメント映像が進む中で、若かりし頃のエスティバン・チャベスが登場する。
当時自転車事故で頭部と肩を強打し肩甲骨骨折、右腕が動かなくなるという大事故から2度の手術を経て神経移植までして復活。
その後、ブエルタエスパーニャでエースを務めて総合リーダーに与えられる真っ赤なジャージ、マイヨロホに袖をとおす。
そんな時、いつも側にいたのが、マシュー・ヘイマン。
彼のアドバイスでチャベスがアタックして見事ステージ優勝を勝ち取りマイヨロホを手に入れる。
自転車は個人戦だと思われていますが、チームの作戦でエースを勝利に導くのです。
だからエースはいつも謙虚だし、チームメイトはアシストとしては渾身的にエースのために動きます。
だからエースが勝つと本気で一緒に喜ぶんですね。
そんな、アシストとしてチームベテランのマシュー・ヘイマンが毎年こだわった大会が北の地獄と呼ばれる「パリ〜ルーベ」という石畳で有名な大会です。
全部で18回出場しているベテラン選手。
彼は2016年2月に骨折、3ヶ月後の4月に出場と普通では考えられない。自転車選手って本当にタフだなって思う。
時速70km近いスピードで走ってても身を守るものは薄い布のジャージ一枚とヘルメット。
前から転けたら顔面なんて守る物が何もない。
それでも、危険は承知で勝負を挑んでいく。
恐怖との戦いでもあるのだなぁ。
レースで勝利を挙げるのは出場選手の内わずか1名。
どの種目でも同じだけどみんなしのぎを削ってレースの挑む。
諦めなければ夢は叶うなんて綺麗事は抜きで考えよう。
自分に向いているスポーツにたどり着いて努力が楽しくてたまらない人の内、色んな要因が重なって勝利を手にしている。
その影には諦めて去っていった選手、努力が報われなかった選手が腐る程いる。
だから、諦めなければ夢は叶う。
やり続ければ勝てるなんてものは最後の勝者になって初めて存在する言葉。
全員の心に響くかもしれないが、全員に当てはまる言葉じゃない。
自分の輝ける場所で頑張るのが正解。
プロサイクリストでもそう。
エースになれるのはチームに一人。
あとはアシストとして自分を輝かせる。そんな生き方もありだなと思う。
沢山のやりたいことを少しずつやっていって、最後に残ってきたものが本当にやりたいことなんだろう。
そうやって、努力すらも楽しいと思えるくらいのめり込んだ、本当の自転車大好きな人が夢見る最高峰のステージ。
それが、「ツールドフランス」
チーム一丸となってマイヨジョーヌを取りに行く、ステージ優勝をとりに行く姿に感動しました。
ミッチェルトンスコット以外の多くのプロ選手もこうやってたった一人の勝者になるために必死になってるんだなと。
それがわかると、レースを見ているだけで感動してくる。
あなたもぜひ、「栄光のマイヨジョーヌ」を見て過酷なロードレース の中にある心震える一瞬を感じて欲しい。
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