西脇のパン屋さん「ピーターパン」までパンライドそれが地獄の始まりだった

TeamAtSkyチーム練

安達コーチプレゼンツ「パンを食べにいくライド」毎月12日はパンクーポンがもらえるパンの日。

西脇にあるパン屋さん「ピーターパン」ではパンの日に購入金額の半分が金券としてもらえる。有効期限は1ヶ月。

もらったらまた来月までに行かなくてはならない。だってパンがお安く買えるんだもん!

と言うことで、休日と12日が重なったら行き先はピーターパンに決定となる。

チーム随一の食通、安達コーチがそんな日を逃すわけがない。

と言うことで、今回は西脇のピーターパンを目指すチーム練となりました。

集合は7時30分「道の駅やぶ」

僕の家から道の駅やぶまでは距離にして17km。

時間にして40分。

気温は家を出る時で6度。

強烈に寒い。

シマノのビブタイツと長袖のアウターを着る。

それでも体幹部分は寒いのでチームベストを着て風を防ぐ。

首には富士ヒルでもらったネックウォーマー。

この状態で走ると6度でも全然気にならない。

走り始めて10分ほどでネックウォーマーを外し、フロントのファスナーを少しおろして外気を入れる。

これでちょうど良い温度。

少し向かい風だけど平均速度31kmくらいで巡航できている。

東の空には真っ赤な太陽がゆっくり昇り始めたところだった。

朝焼けは雨が降ると言われているので、帰り雨が降らないか少し気になった。

集合場所に集まったのは、藤原親方、安達コーチと、僕の3人。

あと2名の参加がある。

1人は言わずと知れたイナヅマン。

もう1人は鈴鹿エンデューロに一緒に行った草川ちゃん。

この2人は途中の山東ファミリーマートで集合だった。

まずは山東へ向かって走り始める。

円山川右岸道路は程よい起伏のある比較的走りやすい道路。

走り始めてわずか数分ほどで、前方にこの冬の寒さを全く気にする気配がない男が1人チームジャージで脚を出して待ち構えていた。

この寒空に生脚。

そう、イナヅマンだ。

昨日夜勤だったから少しでも寝たいから家から近い山東のファミリーマートで集合すると言ってたのに、途中まで来ていた。

どうやら眠れなかったらしい。

眠れなかったらしいが、顔を見る限り元気いっぱいだ。

この顔を見ると、今日のライドも荒れるんだろうなと思う。

始まったばかりだけど、先が思いやられる(笑)

藤原親方とイナヅマンが揃うと何もないわけがない。

これにマイヨ田中が揃ったらもうベストメンバー。

ただ、今日はそのマイヨ田中は欠席なのだ。

残念だな。

山東ファミリーマートで草川ちゃん合流

ファミリーマートで無事メンバー全員が揃った。

この冬の最中にメンバーが5人も揃ってライドできるなんてとても嬉しい。

冬はどうしてもソロ練になる。

年末や年始は家族サービスや用事が増えるから。

それに天候も安定しないから集合して長時間走ると誰かが雨にやられる。

兵庫北部の但馬地方とはそう言うところ。

冬の日本海の空はいつ雨や雪が降ってもおかしくない、鉛色の空をしている。

誰がつけたのか「山陰地方」山の陰とはよく言ったものだ。

全員集合してまずは青垣方面に向かう。

その青垣方面に向かうのに立ちはだかるのが「遠坂峠」時間にして9分。

速い人は8分台で登ってしまう。

速い人。

そういえばチームの中にもいるなぁ。

2人ほど。

そんな2人を先頭にトレインは遠坂峠へと入っていく。

軽快に踏んでいくし、僕もそれほど辛くないと思っていた。

だが、サイコンを見ると340wを表示している。

あれ?パワーウエイトレシオ5.5倍?

あかん、死ぬ。

そして、胸が苦しくなり肺が締め付けられる。

これはただの苦しさじゃない。

もう一度サイコンを見ると異常を発見した。

心拍が115しか上がっていない。

きっと心拍計がおかしいんだろうと思っていたが、

胸の苦しさが尋常じゃないので、ちょっとベストのファスナーを下げてみた。

楽になった!

さらにジャージのファスナーも3分の1おろす。

もっと楽になった。

その瞬間、心拍が160まで戻ってきた。

どうやら上半身の締め付けが原因だったみたい。

遠坂峠を下ってベストを脱いで見ると楽になった。

夏用ジャージに合わせたベストだったから、冬用ジャージにはキツかったみたい。

流石に心拍が上がらないと苦しさが尋常じゃ無い。

なんとか最初の関門を通過してここから西脇まではほぼ平坦。

体力無尽蔵の親方とイナヅパイセンを含んだローテーションが始まる。

はぁ~もう怖い。

ローテーションスタート

最低速度が35km/h

速度はグングン上がって、ほぼ40km/hで走行。

もう車です。

僕はなぜか藤原親方の後ろで、これは完全に場所を間違えたなと。

真後ろでベタつきで走ってるのにキツイ。

肘クイが出て前に出るんだけど、毎回前に出れない(笑)

下がるスピードも速いから並走しちゃう。

前に出るには、もう一つ速度を上げなければ出れないのです。

ローテーションの度に喉の奥から血の味がする。

そして、自分の番は頑張る。大体3〜5分牽いたら下がる。

後ろに下がったらもう天国。

惰性で前に進めちゃう。

そして先頭の二番目から地獄。

これを永遠と繰り返して西脇のパン屋さんを目指すのだ。

でも、青垣から氷上、西脇までは道路も綺麗だし、路肩もそこそこある。

それに交通量もそれほど多くないと、まさに自転車天国。

適度なアップダウンで飽きないし。

今回チームロング練に初参加の草川ちゃんは「死ぬ〜」って言ってましたがだんだん快感になってきているみたい。

素晴らしいです。

そして、街の中を駆け抜けて、気がついたら激アツのパン屋さん

西脇市の「ピーターパン」に到着しました。

ハード系は二つまで

謎の暗号が飛び交う常連の3人衆

イナヅパイセン、安達コーチ、藤原親方。

ジャーマンポテトは食べる時気をつけてね!と。

どうやら丸ごと一個ポテトが入っているらしく、お初の人は落とす洗礼を食らうようだ。

目移りするほどパンが並び、次から次に人が入ってくる。

地元でも大人気のパン屋さん。

僕はジャーマンポテトとハムレタスのハード系サンド、そしてバターメイプルシロップマフィンとオレンジジュースを。

12日はパンの日らしく、僕はお会計で400円の金券をもらった。

有効期限は翌月の11日まで。

このシステムに完全にはまって何度もリピートしてしまいそうだ。

店内にはイートイン席も用意してあって、僕たちは自分達の自転車を眺めながらパンをいただいた。

まずはジャーマンポテト。

一口目からウマい!

ベーコンと焦げたマヨネーズがなんともいえない。

ポテトもホクホクでパンと良くあっている。

パンはハード系。俗に言うフランスパン系。

半分くらい食べた頃だろうか、二つ隣に座って同じくジャーマンポテトを食べている安達コーチから「やばい顎が終わった」と。

自転車乗ってて「脚が売り切れた」とか「脚が終わった」ってよく聞くけど、パン食べながら「顎が終わった」って。

と思ってたけど、半分を過ぎたあたりから僕の顎も売り切れ状態に。

そう言えば、店を入る時にみんなが言ってたな。

「ハード系は二つまで」って。

この事か!

ジャーマンポテトを食べ終わり次はハード系のハムサンド。

長いパンが凶器に見える。

顎が。

一口食べる。

ウマい!ウマい!の大合唱。

ここには煉獄さんだらけ!

これはマジでウマい。次も絶対食べたい。

だが、顎が。

隣では藤原親方が、激辛カレーパンとサンドと何か食べてたが、ハード系は2つまでの禁を破り3つハード系を食べていた。

サンドをソフト系と見誤ったようだ。

顎が終わったと嘆いている。

スズカ6時間ソロエンデューロ2位の男がハード系パン3連発に撃沈していた。

僕の手元には最後バターメイプルシロップマフィンが。

一口食べる、とろける甘さとバターのしょっぱさが相まって至福のひととき。

これは堪らん!

全部平らげお腹いっぱいに。

ジャージのファスナーを喉元まで上げるとパンが上がってきそうだ。

もう一つ食べたかったけど我慢してよかった。

本日のメインイベントはパンだけではない

実は、このパンライド。

パンだけがメインイベントではない。

復路にあるストラバのセグメント「播州TT」アタックもメインイベントになっている。

通称「Yuiの壁」

なぜYuiの壁と言うのか。

それは、セグメントの上位に女性でYuiさんという方が入っているのだ。

以前挑戦した時は、完全に敗北。

女性で恐ろしく速い人。それがYuiさん。

この壁をなんとか乗り越えたい。

時間にして25分間、パワーウエイトレシオ4倍で踏み続けてやっと上位に入ることができる。

ここのKOMはパイセンが持っている。

さらに親方と続いている。

今日も楽しい播州TTが始まるのだ。

僕は先の遠坂峠と、パン屋さんまででほぼ脚が売り切れいている。

パン休憩でどれだけ脚が回復しているか?

さらに、食べ過ぎたパンがどう影響するのか。

スタート前にちかくのファミリーマートでホットコーヒーSを流し込む。

カフェインの力でも借りないと復路完走は厳しそう。

なんとか播州TTだけでももってほしい。

復路スタート

そして復路はスタートしたのだった。

先頭はイナヅパイセン。

次が藤原親方。

次が僕、草川ちゃん、コーチと続く。

その出走順を後ろから確認して、コーチが一言。

「この順番がベストポジション!」

なになに?

どうやらコーチは播州TTのベストタイムを狙っているようだ。

この順でローテすると上手く回せるらしい。

僕にしたら最近ロング乗れてないから不安でしかない。

コーチも大して乗ってないのに、この余裕はいったい何なんだろう(笑)

それでは、ここでセグメント「播州TT」のコースプロフィールをお伝えしよう。

播州TT

セグメント名「播州TT」

距離:15.48km

平均勾配1.3%

前半は平坦、後半にジワジワ登る緩斜面

スタートは多可町の国道427号線、JA加美交差点。

ゴールは播州峠の播州トンネルだ。

和やかに速度を上げながらまずはスタート地点をめざす。

この普通の移動も速い。

だから、一緒に走る時は本当に気合い入れて走らないと心が折れた地点でチギレ解散となってしまう。

平地で遅れたらもう致命傷で二度と追いつくことはないだろう。

途中の交差点で、一緒に走っていた草川ちゃんが帰宅のためショートカットしてお別れ。

メインイベントも走って欲しかったなぁ。

次回はメインも味わってもらおう(笑)

そんな事を考えながら走っていると、JA加美交差点が近づいてきた。

安達コーチの「その交差点からスタートです!」の号令。

始まった…

イナヅパイセン先頭でセグメントに突入。

微風の追い風で気持ちいい。

だが、このペースで行くのか?と思えるような引き。

続く親方も!

親方の平坦は正直トレインでも千切れそう。

なんで親方の後ろを走ってるんだ〜って後悔しても仕方がない。

やるしかない。

先頭に行ったら速度を落とすことなくトレインのペースを維持する。

ここで妥協するのは僕の気持ちが許さない。

行けるところまではこのローテでいく!

イナヅパイセンが「1分ずつで!」と号令をかける。

1分踏ん張って3分休む。

これならなんとか持ちそうだ。

安達コーチもいい引きだ!

ズンズン進んでいく。

すると、目の前に赤信号見えた。

そう、このセグメントは途中1箇所信号がある。

この信号で捕まるとタイムが出ない。

だが、僕の読みではギリギリ青になるはず!

そんな読みで先頭を引く。

ちょっとスピードを緩めて信号に近づく。

と、その時青に変わった!

おぉ!ついてる!

さぁ、仕切り直して行こう!

イナヅパイセンから「現在KOMより30秒先行しています!」

とアナウンスが入る。

そうなると俄然燃えてくる。

やるしかない!

ペースを維持しながら先頭の時は頑張り、後ろでは風を受けないようにエアロポジションで。

その時、安達コーチがイナヅパイセンに

「前入ってください!」と。

いよいよ安達コーチがローテに入れなくなった。

ここからは三人ローテ。

でも、安達コーチも後ろにしっかりついて頑張る。

こうなると1分頑張ったあと、パイセンと親方の引きが休憩にならなくなってきた。

ひーーー!

もう地獄。

親方の肘クイで前に出る時は、一体何ワットで踏んだら出れるの?ってくらい加速しないと出れない。

道の駅が近づくにつれて勾配が1%、2%と上がってくる。

だが、速度を落とすわけには行かない。

道の駅を過ぎて山間部に入ったその瞬間。

僕が先頭を引いてたのだが、後方からパイセンがアタック。

すかさず、親方が飛び出す。

僕はその飛び出しに乗ることが出来ず。

後ろにはまだ安達コーチがいる。

ダンシングで踏ん張ってみると、少し前との距離が縮まってきた。

もしかしたら追いつけるかも。

この時、一気に追いつけばよかったのだが、もう脚が本当に限界だった。

後ろを確認するために。左後方を見る。

安達コーチが居ない?

えっ?さっきまで居たのに。

と、右を見ると、すぐ斜め右に居た!

ビックリした。

そこから、先頭の二人の姿が消えないように、時折ダンシングを混ぜて耐えていく。

遠くにトンネルの入口が見えたら、二人がグイッと加速したのが見えた。

僕も最後の力を振り絞ってダンシング。

トンネル手前で、GARMINがピロピロピロ〜っと終了の合図を奏でている。

KOMの文字が。

僕のタイムでKOM。

実際は前の二人のどちらかが持って行ったんだけどそれでも嬉しい。

後に確認してみたら、パイセンと親方同タイムのKOMだったみたい。

そしてセグメントのゴールにこの苦しみから開放された達成感を噛み締めながらトンネルに入る。

息を整えながら肩で息をする。

もう喉が血の味しかしない。

すると、後方から

「ゔぉぉぉぉ〜〜〜」と断末魔のような安達コーチの声が響き渡った。

そうとう苦しかったのだろう。

コーチもどうやら無事ゴールしたらしい。

僕とは5秒差だった。

その後は平坦を走るも脚が攣るし、遠坂峠を東から登るのも限界ギリギリただ回すだけ。

山東で親方と分かれて、イナヅパイセンと安達コーチと北上。

八鹿でコーチと別れたら、パイセンが日高までアシストしますといって引いてくれた。

フラフラになりながらもパイセンのおかげで無事豊岡まで帰ってきました。

完全に脚が砕けた。

魂を削って走ったわ。

播州TTを毎回のメインイベントにしているチームメンバーが恐ろしい。

僕は今回のピーターパンは初めて。

毎回チームメンバーからキツイと聞いてたけど、ここまでとは。

次回はマイヨ田中も入れたフルメンバーで挑みたい。

ってまたやるんかい!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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